ノーマルフロー法とストップドフロー法
信頼性のある定量を行うために、ノーマルフロー法とストップドフロー法のニつの方法があります。
ノーマルフロー法
ノーマルフロー法では、反応コイルを長めにする、または流量を低くします。サンプルゾーンが検出器へ送られる時間が増加します。この方法でも十分なピークが得られる場合があります。例えばリン酸測定のためのモリブデンブルー生成等の発色は、バッチ法では15分も要します。
ノーマルフロー法の利点は、その単純さにあります。ポンプが作動してサンプルと標準物質を適切な間隔で注入し、得られるピークを連続して記録するだけです。拡散プロセスを再現させて流量を一定にすれば、連続注入される全てのサンプルに同じ処理をすることができるので、コンピューター制御するまでもなく手動で行うことができます。しかし、サンプルが処理されない間も試薬は高流量で送液され、試薬の浪費が多くなります。従来のFIAシステムは内部容量が大きく、開始時と終了時に大量の溶液を消費しています。
ストップドフロー法
ストップドフロー法は、検出器の測定部で拡散するサンプルゾーンの一部を停止させる方法です。
ゾーンが検出器へと向かう途中で化学反応が平衡に達していなくても反応速度曲線が得られます。
唯一の例外は検出器へ向かう途中で反応が平衡に達した場合です。
そのように非常に稀な場合はベースラインを超えた高さで水平線となります。ブランクでは水平線となり(図4)、その高さはキャリアの中で希釈された試薬の吸光を表します。 |
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| 図4 :合流点でサンプルと試薬は合流し、反応生成物を形成します。 |
FIAモードでは、SIAモード(図12)に比べると、ブランクの値はベースラインに一致します。
なぜなら試薬は合流点から下流への流れに沿って均一に希釈されるからです。
送液停止中得られる反応速度曲線の傾きはアナライトの濃度に比例します。ストップドフロー測定で再現性を得るための必要条件は下記ニ点です。
1 ) キャリアの流量を完全な停止まで確実に制御できること
2 ) 注入から停止まで送液される混合液量は常に一定で、拡散したサンプルゾーンの同一部分をフローセル内で停止させること
拡散したサンプルゾーンは濃度グラジエントを形成するので、ニ番目の条件が満たされなければ、サンプルと試薬濃度の割合にばらつきが生じます。
適切な機器及びマニホールドを使って、コンピューター制御下でFIAストップドフロー法を行えば高い再現性が得られます。
一般的な流量はチャンネル当たり0.5 mL/分、サンプル量は50〜100µL、反応コイルは25〜50cmの内径0.5mmのチューブ(オレンジ)を使用します。
ストップドフロー法の条件設定時には、無色のキャリア溶液へ色素を注入すると記録されたピークの位置と形状から流れの停止位置を決めやすく、機器の送液機能を簡単に確認できます。 |
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| 図5 :R:試薬(青)、S:サンプル、ピーク(黄色)、H:ピーク高さ(ノーマルフロー法で測定されます。) |
ストップドフロー法の利点は、停止時間を長くすると反応物の生成時間を長くでき、反応が遅い分析ではより高感度な結果が得られることです。例えば全ての酵素アッセイは反応速度測定を基本にしているので、ストップドフロー法はノーマルフロー法の一点測定よりも信頼度が高くなります。しかも送液停止中は試薬も流れず、廃液も出ないので経済的です。