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  FIA (フローインジェクション分析法)

FIA (Flow Injection Analysis)

FIAlab Instruments Inc., U.S.A.


フローインジェクション分析法は、液体が連続して流れる中へ液体サンプルを注入することに基づきます。
液の流れはサンプルの輸送手段(キャリア)であり、注入されたサンプルは一つのゾーンを形成して検出器へと運ばれ、サンプル中の目的成分がフローセルを通過することで、連続して変化していくのが検出されます。


FIAはフローインジェクション分析法の第1世代で最も一般的に使用されています。
図1のような最も単純な方法では、キャリアとしての試薬(青)が流れる中へサンプルゾーン(赤)が注入(図1:A)されます。
注入されたゾーンが下流へ移動していくと(図1:B)、サンプル溶液は試薬内で拡散し、サンプルゾーンと試薬の混合で反応物が形成されます(図1:C)。
この混合ゾーンが検出器へ進んで行くまでに、拡散プロセスを半径方向及び軸方向に促し、加速させることが必要です。試薬は拡散するサンプル全体に均一に行き渡らせる必要があり、均一でないと反応生成物はサンプルゾーンの中心で完全に形成されず、2つのピークが検出されます。
このため、殆どのFIAマニホールドは合流点を利用します(図1:D)。
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図1 : FIA原理:A〜C単一ラインマニホールド、D合流点

合流点では試薬がキャリアの流れに溶け込み、サンプルゾーンの長さに関わらず試薬溶液が均等に供給されます。サンプルと試薬の割合は、合流点での流量とサンプルの濃度グラジエントの比率に左右されます。(図4)


合流点の後には、チューブを用いた反応器(図2:RC1及びRC2)が続きます。
一般にはコイル型の反応器が使用されています。
このチューブ(図3)は軸方向の拡散を抑えて半径方向の混合を促します。
試薬を使う分析の多くは複数の試薬とサンプルを連続して混合させるので、FIA装置にはマルチチャンネルポンプを使用します。
サンプルは一定の内部容量のループが付いたニ方向バルブ(バイパスは図2では描かれていません)で注入されます。
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図2 : 従来のFIA用の三ラインマニホールド
RC1及びRC2はコイル型反応器

接続ラインと反応コイルは通常内径0.5mmのチューブを使用します。
反応コイルの長さは50〜100cmで、各チャンネルの流量は0.5〜1.5mL/分の範囲にします。
注入サンプル量は50〜200µLで、サンプリング頻度は1時間当たり60回程度です。 1分当たり1サンプルの処理では化学反応のための時間をあまりかけられません。
確かに化学反応がそんなに速く平衡に達することはまれです。しかし、反応生成物が平衡状態に達していなくても、再現性のある分析結果が得られることが全てのフローインジェクション法の主な利点です。
必要なのは、形成された反応生成物が、同一条件下で標準溶液から形成される反応物と相関を持つことです。


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図3 : 着色剤と無色溶液で満たされた内径0.5mm透明チューブ製 反応器の例
左:コイル型、青い色素が先端で拡散しています。
右:編み込み型、青と黄色ゾーン間の緑色のゾーンは短く、軸方向の拡散が抑制されていることがわかります。

ノーマルフロー法とストップドフロー法


信頼性のある定量を行うために、ノーマルフロー法とストップドフロー法のニつの方法があります。



ノーマルフロー法


ノーマルフロー法では、反応コイルを長めにする、または流量を低くします。サンプルゾーンが検出器へ送られる時間が増加します。この方法でも十分なピークが得られる場合があります。例えばリン酸測定のためのモリブデンブルー生成等の発色は、バッチ法では15分も要します。
ノーマルフロー法の利点は、その単純さにあります。ポンプが作動してサンプルと標準物質を適切な間隔で注入し、得られるピークを連続して記録するだけです。拡散プロセスを再現させて流量を一定にすれば、連続注入される全てのサンプルに同じ処理をすることができるので、コンピューター制御するまでもなく手動で行うことができます。しかし、サンプルが処理されない間も試薬は高流量で送液され、試薬の浪費が多くなります。従来のFIAシステムは内部容量が大きく、開始時と終了時に大量の溶液を消費しています。


ストップドフロー法


ストップドフロー法は、検出器の測定部で拡散するサンプルゾーンの一部を停止させる方法です。
ゾーンが検出器へと向かう途中で化学反応が平衡に達していなくても反応速度曲線が得られます。
唯一の例外は検出器へ向かう途中で反応が平衡に達した場合です。
そのように非常に稀な場合はベースラインを超えた高さで水平線となります。ブランクでは水平線となり(図4)、その高さはキャリアの中で希釈された試薬の吸光を表します。
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図4 :合流点でサンプルと試薬は合流し、反応生成物を形成します。

FIAモードでは、SIAモード(図12)に比べると、ブランクの値はベースラインに一致します。
なぜなら試薬は合流点から下流への流れに沿って均一に希釈されるからです。


送液停止中得られる反応速度曲線の傾きはアナライトの濃度に比例します。ストップドフロー測定で再現性を得るための必要条件は下記ニ点です。


1 ) キャリアの流量を完全な停止まで確実に制御できること
2 ) 注入から停止まで送液される混合液量は常に一定で、拡散したサンプルゾーンの同一部分をフローセル内で停止させること


拡散したサンプルゾーンは濃度グラジエントを形成するので、ニ番目の条件が満たされなければ、サンプルと試薬濃度の割合にばらつきが生じます。
適切な機器及びマニホールドを使って、コンピューター制御下でFIAストップドフロー法を行えば高い再現性が得られます。
一般的な流量はチャンネル当たり0.5 mL/分、サンプル量は50〜100µL、反応コイルは25〜50cmの内径0.5mmのチューブ(オレンジ)を使用します。
ストップドフロー法の条件設定時には、無色のキャリア溶液へ色素を注入すると記録されたピークの位置と形状から流れの停止位置を決めやすく、機器の送液機能を簡単に確認できます。
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図5 :R:試薬(青)、S:サンプル、ピーク(黄色)、H:ピーク高さ(ノーマルフロー法で測定されます。)

ストップドフロー法の利点は、停止時間を長くすると反応物の生成時間を長くでき、反応が遅い分析ではより高感度な結果が得られることです。例えば全ての酵素アッセイは反応速度測定を基本にしているので、ストップドフロー法はノーマルフロー法の一点測定よりも信頼度が高くなります。しかも送液停止中は試薬も流れず、廃液も出ないので経済的です。

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